「米国保険『IUL』契約の実例②」
2018.07.04 エステート・プランニング
「60歳男性保険料約1億円で米国IULを購入。」
この方は会社を経営していますが、余剰資金を利用して資産運用と万が一の保証を目的としてIUL (Index Universal Life) を購入し ました。 以下概要です。
ドル建終身保険(105歳まで) 保険料 : 約1億円(100万ドル)一時払い(因みに年払いも可能) 当初保険金額 : 約4億円(4倍) 74歳には1億円の返戻金、更に1億円の保険金(計2億円) 94歳には2億円の返戻金、更に1億円の保険金(計3億円) 世界50番以内の規模の大手保険会社 手続きの期間1~2か月 健康状態優良
この方はまだ若いので最終的には途中で解約をするつもりです。それでも死亡保障として約1億円は支払われることになります。
この際の留意ポイントを更にあげていきます。
「保険契約が絶対に失効しないような設計にする。」
さんがこのIULを検討するのであれば、万が一でも100歳までは保険が失効しない様に設計するべきです。現実的には株式市場が何年も下落し続ける、という事は無いとは言っても、大金を支払った保険契約が失効するリスクがある、というのは穏やかではないからです。
しかし、リスクをとって運用収益を重視するのであれば、この限りではありません。すべてをIULに投入してください。万が一、失効しそうになった場合には追加で保険料を入れるか、保険金の額を減額する事で保険が失効することを防ぐことができます。
今回は105歳までは保険金約1億円が失効しない様に設計しました。これで何があっても掛け金は戻ってくることになります。この設計の方が、この顧客には良いと感じたからです。
「海外の保険には『最低保証』と『現状予想』がある。」
解約返戻金も保険金額も、IULでは「最低保証」されている金額と、「現状予想」の金額が提示されます。現状予想金額はあくまでも予想ですので、日本の保険で言う保障されている「予定利率」とは全く異なる意味となっている点は要注意です。
IULの場合でも「最低保証」される提供金利は低いため、その金利でずっと推移していくと必ず早いタイミングで保険契約は失効する事になります。現実的には「最低保証」の金利で数年間推移していく可能性は低いのですが理論的にはあり得るシナリオ、という点も理解しておくべきです。
保険契約が失効するという可能性があるIULですが、ある手法を使う事によりどんな状況でも、理論的に失効しない保険設計にすることは可能です。
この方法を使えば支払った保険料が必ず戻ってきます。「高い利回りのIUL」という特性に安心・安全な性質を与えることが可能になります
このお客様も、この特別な方法を利用して元本が確保されるように設計しました。これで万が一、IULが失効しても死亡保険金として支払った1億円は必ず受け取れるので安心、という事になります。
「資産運用重視か?保険金額重視か?を決める。」
そもそも、IULを検討する際に考えなければならないのが、利殖目的なのか、それとも保険金目的なのか、という事なのです。
なぜならこれら目的によって保険の設計内容が全く異なってくるからです。
この60歳のお客様は、保障と同時に資産運用も目的にしていたので、約400%の保証が払われる設計になっています。保障を重視すれば600%以上にレバレッジを掛けることが可能ですが、そうなると運用の利回りが下がってしまいます。保障と運用の程良いバランス型IUL、という事になります。
また、保険は一般的に若いタイミングで入れば入るほど、保険料が安いので保障のレバレッジが大きくかかります。
前述した通り、30歳の女性であれば、9倍から18倍ものレバレッジを掛けることも可能ですが、60歳であればそこまでのバレッジを掛けることはできないのです。
相続対策としてIULを利用するのであれば、当然のことながら保証重視に設計していくこととなります。
(注)これらの文章はあくまでも情報提供を目的としており、金融商品の売買やそ の勧誘を目的にはしておりませんのでご留意ください。