対外財産調書対策
その年の12月31日において5,000万円を超える財産を海外に保有している方は、翌年6月30日までに税務署に「国外財産調書」を提出(令和5年分以後)しなければなりません。
罰則規定は平成27年1月1日以後に提出すべき国外財産調書に係るものから、下記の罰則が適用となりました。
国外財産調書を提出期限内に提出しなかった場合又は提出期限内に提出された国外財産調書に記載すべき国外財産の記載がない場合(記載が不十分と認められる場合を含みます。)に、その国外財産に関して所得税の申告漏れ(死亡した方に係るものを除きます。)が生じたときは、その国外財産に係る過少申告加算税等が5%加重されます。
国外財産調書に偽りの記載をして提出した場合又は国外財産調書を正当な理由がなく提出期限内に提出しなかった場合には、1年以下の※1 拘禁刑又は50万円以下の罰金(令和4年刑法改正)に処されることがあります。ただし、提出期限内に提出しなかった場合については、情状により、その刑を免除することができることとされています。
国外財産調書制度の詳細や最新の運用状況については、こちらをご覧ください。
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相続対策とは?
「相続対策」イコール「税金対策」、つまり「納税額の圧縮」や「節税」と思われがちですが実際には次の3つの点に良く配慮をして対策を練る必要があります。
- 分割
- 納税資金の確保
- 納税額の圧縮
相続対策としてはあまり重要視されない傾向のある、1)の分割については自身の死後に家族や親族間に禍根を残さないようにすることを考慮すると実は重要な対策となります。
遺産を分割し被相続人に自分の思いを伝えるためには、しっかりと準備をする必要性があります。
生命保険を利用した相続対策
相続対策として最も有効な手段として生命保険を利用したものがあります。
生命保険は相続対策において重要な3つの観点またはポイントにおいて網羅することが可能です。生命保険はその使い方を間違えなければ相続対策にはもっとも適しているといえます。
この生命保険を利用した相続対策については会員ページにてより詳しく解説をしています。
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海外の保険を利用した相続対策
また、日本の居住者が契約することのできない日本国外(海外)の生命保険も法律的には日本国内の生命保険と原則同様の扱いとなります。ただし、海外の保険は国内に居住している個人が直接契約することは禁じられています。詳しくは会員ページをご覧ください。
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不動産を利用した相続対策
生命保険の次によく利用されるものとしては不動産があげられます。これは不動産の市場価格と評価額の差を利用する方法や、保有する土地に借金をしてアパートなどを建設し、保有資産の評価を圧縮して相続税の節税効果を狙うものです。更には住居と認定されることにより評価を下げることも可能です。
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節税対策とは?
節税対策とは正にその言葉の通り、合法的に課税される税金を少なくするための対策となります。「架空請求」や「架空取引」などの不正を用いて所得をごまかし、税金を減らす行為は節税ではなく脱税となり、非合法な対策となるので留意する必要があります。
また日本では「租税回避行為」という当局による伝家の宝刀のような解釈方法があり、どんなに理論的に武装をして対策をしても事の本質が「納税額を減らすためだけ」となれば「租税回避行為」と見做されてその節税対策行為が否認される可能性とリスクがあります。
少しずつ変わりつつあるようですが日本ではアメリカなどとは異なり「節税対策」という行為は納税者にとって権利とは見做されない点を良く理解する必要があるでしょう。
法人と個人
法人と個人では節税の対策が異なります。法人の場合は主には法人税であり、個人場合には主には所得税、相続税等と対象が異なるため当然のことといえるでしょう。なお、法人税率はすでに23.2%に引き下げられています。また、防衛財源確保のための法人税(防衛特別法人税)が2026年4月から導入される予定であり、実効税率は約30.64%になる見込みです。これにより、既存の法人向け節税対策の効果が変化する可能性があります。
海外を利用した節税対策
日本国内と海外との各制度の違いを利用して行う対策です。例えば、米国では相続税(Estate Tax)は相続する側(受遺者)ではなく、被相続人の遺産(エステート)に対して課されます。2025年以降の「One Big Beautiful Bill Act」により、連邦遺産税の基礎控除額が2026年から約1,500万ドルに引き上げられる予定であり、対象となる遺産はさらに限定されています。
法人であれば原則として、海外に設立された会社がペーパーカンパニーではなく実態のある会社なのか?また、海外に設立され運営される事に、節税以外に合理性があるか?などが重要なポイントとなります。
昨今、多くの富裕層や資産家が相続および事業の承継の対策で頭を悩ませています。これを少しでも軽減させるためには様々なプランニングが可能です。しかし、いずれのプランを採用するにせよ、それなりの時間軸が必要となります。短くとも6ヶ月、長ければ5年以上と周到な準備が必要となります。
相続や事業承継の正確なタイミングは通常は予見できませんので、早くから対策をする方が賢明でしょう。
海外移住による相続税節税の現状
かつては、相続人・被相続人がともに一定期間(かつては5年以上)海外に居住することで、日本の相続税の課税対象外とする手法が富裕層の間で活用されていました。しかし、度重なる税制改正により、この手法は現在では事実上封鎖されています。
改正の経緯
2013年(平成25年)の税制改正で国外財産に対する相続税の課税範囲が大幅に拡大されました。その後も段階的に要件が強化され、2023年(令和5年)4月1日以後の相続からは以下のルールが適用されています。
- 被相続人・相続人のいずれかが、相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していた場合、その相続人が取得するすべての財産(国内・国外を問わず)が日本の相続税の課税対象となります。
- 日本国籍を持つ者については、たとえ海外に長期居住していても、10年以内に一度でも日本に住所があれば全世界財産が課税対象です。
- 日本国籍を持たない外国人相続人(外国人被相続人からの相続)についても、一定要件下で国内財産が課税対象となります。
現状での留意点
上記の改正により、海外移住を相続税節税の手段として活用するためには、被相続人・主要な相続人の全員が10年超にわたって日本に住所を持たないことが必要となります。さらに以下の点も考慮が必要です。
- 出国税(Exit Tax):日本を離れる際、一定額(1億円)以上の有価証券等を保有する場合、含み益に対して所得税が課されます(平成27年7月以後)。
- 移住先の相続税:移住先国によっては独自の相続税・遺産税が課されます(例:シンガポールは相続税なし、オーストラリアは廃止済み、米国は連邦遺産税あり)。日本との租税条約の有無も重要です。
- 実態要件:単なる住所変更では不十分であり、実際の生活の本拠(生活の中心地)が海外にあることが求められます。形式的な移住は税務当局に否認されるリスクがあります。
- OECD・G20の情報交換:CRS(共通報告基準)により、各国の金融機関が口座情報を自国の税務当局に報告し、税務当局間で自動的に情報交換が行われます。海外資産の把握が格段に容易になっており、税逃れは難しくなっています。
これらの改正の結果、かつて有効とされた「移住による相続税ゼロ」という対策は、現在の法制度のもとではほぼ不可能となっています。海外移住を検討する場合は、単なる節税目的ではなく、実際の生活や事業の拠点を海外に移す意志があることが前提となります。専門の税理士・弁護士との入念な事前協議が不可欠です。
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