「海外投資、オフショア・ファンドの鮫に要注意。(「鮫」とは投資家を食い物にする連中の事)」
2019.06.29 投資関連
「例えば流動性のない海外代替投資(オルタナティブ投資)は危険」
今回はいわゆる日本で正式に販売登録をしていない、海外投資、オフショア・ファンドについてです。
筆者は、大手証券会社で日本中の法人や個人向けに海外からの投資商品の開発や精査などを行ってきた経験もあり、直近の金融危機で破綻した多くのヘッジファンド、不動産ファンドを含む海外ファンドを見てきていますのでそのリスクをちょっとだけ書いてみます。
海外投資、オフショアファンド、特に代替投資(オルタナティブ投資)にかかわるものはリスクが高く危険です。過去にはいくつもこういった類のファンドが破綻しています。それを良く理解した上で投資するべきでしょう。
その理由の一つは相対取引であり流動性が無い、という事です。これは中古車売買や不動産売買をイメージすれば分かり易いでしょう。
取引所で売買できず相手と直接売買する、国によっては規格も規制も緩いPtoPの「相対取引」であるため、すぐに売却できないだけでなく、詐欺などの不正がが起きやすいのです。国内でも難しいのに海外なら尚更でしょう。
更に海外であれば資金の流用等の不正事件も起こりやすくなります。勝手に資金を借りていたり。
その意味では、主要株式市場に上場していて流動性の高い株式に投資する海外オフショア・ファンドの方が安全と言えます。
そう、シンプルで分かり易いのが一番なのです。
「海外オフショア投資詐欺(スカムScam):5つのサイン」
さて、ここにカナダのサイト「投資詐欺のあるある」から「海外投資詐欺の5つのサイン」という記事を引用しましょう。
1. 認可や許可を得ていない無認可・無許可営業者
(過去に関連当局から免許などを取り消されたり、訴訟を抱えているケースも多い。)
2. 内部情報や耳より情報
(ウチだけの耳よりの話です!)
3. 今すぐ買わせようとプレッシャー
(〇月〇日で終了です!今すぐ買いましょう!)
4. ハイリターン/ローリスク
(元本保証で年間10%以上の海外ファンドです!)
5. 弊社の顧客や友人、取引先、はたまた有名人が投資しました!
(みんなが投資しているので大丈夫です。あなたも今すぐどうぞ!)
何となく心当たりのある人や業者が思いつくのではないでしょうか?
「普通の人が見極めるのはほぼ不可能。」
もちろん、こう言った危ない海外投資やファンドの見極め方はあります。
例えば分かり易いのが、世界の大手金融グループが関わっているか?というものがあります。
しかし、これもそれなりの英語力、国際金融知識、実務経験等が無いと簡単には見極められないでしょう。200ページもある英文の書類オファリング・メモランダムを読みこなせるだけの能力と経験も必要です。
最近の事例では、「大手の米系投資銀行が発行し元本保証している高収益商品です!」というのがありました。一か月ほどかけて色々精査したところが、これもどうもSCAM(詐欺)ぽい感じが残りました。
そして、こういうリスクの高い危険ないい加減な商品を売りつける連中は適当な日本語で説明して投資家を煙に巻くのが常道です。
「金融危機から10年経過。裸で泳いでいる連中は誰?」
前回の金融危機から大きな危機は起きていません。株価も高値を更新しています。
つまり、どんな投資でも同じようにそれなりに儲かっていたのです。
これは国内の不動産投資なども同様です。
投資は本来資金を回収、つまり最後にキャッシュを手にするまでわかりません。
雲行きが怪しくなると一気に情勢は変化します。まずは、こういったリスクの高い海外ファンドから破綻するケースが多いのです。
海外での投資は特に自己責任が問われます。だからこそ気を付ける必要があります。
(注)これらの文章はあくまでも情報提供を目的としており、金融商品の売買やその勧誘を目的にはしておりませんのでご留意ください。