「有力ヘッジファンド:『ミレニアム・マネジメントとワールド・クオントの関係』」
2019.07.01 投資関連
「アメリカで7番目の規模を誇る有力ヘッジ・ファンド:ミレニアム・マネジメント」
今回は世界でも有力なヘッジ・ファンドである、あの「ミレニアム・マネジメント」とその関連会社である「ワールド・クオント」の紹介です。
この「ミレニアム・マネジメント」は1989年にトレーダーであったイスラエル・イングランダーによって設立されたヘッジファンドで、2018年のAUM(資産運用額)で約347億ドル、日本円にして4兆円の資金を運用している全米で7番目、世界で8番目に大きいヘッジファンドです。
このミレミアム・マネジメントが運用するヘッジファンドは、基本的にはファンド・オブ・ファンド(FOF)同様に、複数の戦略をとるマルチ・ストラテジーが特徴です。
ただ、通常のFOFはほぼすべて外部のヘッジファンド複数に運用を委託する、というのが通常ですがこのミレニアム・マネジメントは全てインハウス、つまり自社内部に運用チームを全て取り込んでマルチ・ストラテジーを追求するというのが特筆すべき点です。
その運用チームは社内で200程度チームで構成されるといわれており、全てのチームに資金が配分されてそれぞれ運用を行っています。
「ミレミアム・マネジメントの関連会社であるワールド・クオント」
更にこのミレミアム・マネジメント社を2007年スピンアウトした運用者によって設立されたのがミレミアム・マネジメントの関連会社である「ワールド・クオント」です。
このワールド・クオントは主に数学や統計的な手法を用いて運用を行うヘッジ・ファンドです。
その設立者であるイゴール・タルキンスキーは、1995年からミレミアム・マネジメント社で運用をしており、統計を使う裁定取引を行うチームを率いていました。
この「ワールド・クオント」は現在約1兆円程度を運用し、約700人の従業員を有しています。このワールド・クオントは別会社ではあるのですがミレミアム・マネジメントとは密接な関係を持っています。
これによりミレミアム・マネジメントが持つプラットフォームや人材などの大部分の資源を共有し、最大限活用する事が可能となっています。
「有力ヘッジファンドへの投資はほぼ不可能」
まず最低投資金額が大きく最低でも10億円、100億円等となり普通の投資家が手を出せる規模ではないのが通常です。
更にはこういった有力なヘッジ・ファンドにおいては新規に資金を受け付けず、既存の投資家からの増額のみに応じる事が多くなっています。
これらの理由としては運用資金が大きくなりすぎると、収益を上げる事が難しくなる点と、買い付けと売却を頻繁する投資家を避けるため、素性や特性がわかり安定して保有し続ける投資家だけを受け入れたい、という意図もあります。
そんなこともあり一般の投資がこれらの有力ヘッジファンドに投資をするのは困難を極めます。
この「ミレミアム・マネジメント」の運用するヘッジファンドも現状は新規資金は受け付けていません。もっとも、新規で受け付けたとしても最低でも10億円以上の投資からという事にはなると思います。◇