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オフショア・ファンド関連投資商品の資産保護観点からの選び方

(事業法人及び一般個人投資家向け)

"How to analyze offshore or related products for investors' asset protection purpose." by J.K. Wilton Research Institute, a division of J.K. Wilton & Company. October 1st 1999. All Copyrights Reserved by J.K. Wilton & Company, DE, USA

■はじめに

日本の金融改革が進行して行く上で米国等と比較をした場合、以下の5つの決定的なインフラストラクチャーの遅れがよく指摘されています。

  1. 投資教育
  2. 情報開示制度
  3. 監視制度
  4. 法律家、会計士などのプロフェッショナルの絶対数
  5. ビジネス一般の倫理教育

各項目の詳細は別著に譲りますが1.の投資教育に関しては投資の促進目的に加え、投資家保護の観点から速やかな整備が必要です。このペーパーでは、ジェイ・ケイ・ウィルトン・アンド・カンパニー・リサーチ・インスティチュートによって、オフショア・ファンドを中心とした投資商品を資産保護の観点からの見た場合の情報収集と分析のし方についてご紹介しています。

本文の著作権はすべてジェイ・ケイ・ウィルトン・インベストメンツに帰属しております。無断転用、引用、転載を一切禁じさせていただきます。万が一、それらの事実が判明した場合、法的な処置を取らせていただく場合がありますのでよろしくご了解願います。

■資産保護確認の重要性

オフショア金融センターで組成されているオフショア・ファンドであれば、最低限の資産保護はなされているのが通常です。

しかし、注意しなければいけないのは個人の投資家に対して総括的に「ファンド」と称して販売されている「私募債券、匿名組合、一任勘定」のような商品です。これらの商品は通常のファンド形式では販売や運営ができないためにとられている中小規模の資産運用の形式です。過去においては自らそのリスクを判断できるとされた事業法人や機関投資家向けとごく一部の特殊な個人の向け商品であって普通の個人投資家が手を出す商品ではなかったのです。(一部の事業法人でさえ、これらの検証を怠りプリンストン債で損失を被った件はまだ記憶に新しいと思います。)

オフショア・ファンドやその他の投資商品 −私募債券、匿名組合契約(商法535条)、一任勘定契約など− への投資を検討する際、投資家資産の保護観点からの情報収集とその分析は必須です。ここではそれらポイントを説明しています。また、各国政府より正式な認可を受けない販売者などに資金を預ける場合の注意点も説明しています。これらが満たされていることは、法的に投資家の資産が保護される仕組みを持っている事を意味しますので、必ず確認するようお勧めいたします。

■最近の動向と対策

今後、金融改革が進む中で多種多様の商品が一般の個人投資家にも浸透してくると思われます。

しかし、これらの商品の中には資産保護の仕組みがしっかりとできているのと、全くできていないものがある事を認識することが必要です。これらは資産保護の仕組みを確認する事ができれば、個人投資家にとって全く恐ろしい商品ではありませんが、信頼できる専門家や知人のアドバイスを求めるほうが良い事は言うまでもありません。

ちなみに、オフショア金融センターでオフショア・ファンドを作るとすると最低でも3億円程度の資産を集めなければなりません。しかし、私募債券、匿名組合契約、一任勘定、の形式であれば資産500万円でも商品として運営可能です。従って、無名ポートフォリオ・マネージャーがファンドを始める第一歩としては最適な商品であるといえます。そして、これらの「無名マネージャー」の中から、高い運用成績をあげる将来の「スター・ポートフォリオ・マネージャー」が出現する可能性も十分あります。これらの商品は優秀な運用者の育成する意味合いから、ないがしろにはできません。重要なのはそれら商品を見極める知識と分析、判断力といえます。

いずれにせよ資産保護の仕組みの確認は、投資をする際の判断の根幹であり必要最低条件ともいえます。この仕組みがなければ、過去の運用実績も信頼性に欠けます。顧客の資産が流用されたりする可能性もあります。運用実績はこれらの共通項が満たされてこそ初めて意味を持ちます。

ここではオフショア・ファンド(以下ファンド)を前提に解説をしていますが、その資産保護のスキームはどの商品にも当てはまります。その基本的な枠組みは、その投資商品の運営を独立した複数の関係者によって行っているか、と言う点に集約されます。独立した関係者であるからこそ相互監視機能が生きてくるわけで、また、どこの関係者が倒産などを起こしても他者には影響しない訳です。

それでは、具体的に主な確認ポイントを説明してゆきましょう。

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