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2000年02月06日

日はまた昇る?(歴史の客観的検証の必要性Part 1)

戦後、バブル崩壊をきっかけにした経済構造の転換期を迎えた日本が手を付けていない課題がある。

それは第2次世界大戦時における日本の行動の客観的な事実確認、分析、評価である。戦後50年以上も経過するが、日本は未だ第2次世界大戦敗戦の呪縛から解き放たれていない。その主たる原因の一つは自らの第2次世界大戦に対する客観的な事実確認、分析、評価が行われておらず、それに対しての社会的なコンセンサスがとれていない為ではないであろうか。

日本が第2次世界大戦で犯した過ちは、アジアの近隣諸国を植民地化したという事実ではなく、植民地統治時や植民地化の過程における感情的で非人道的な残虐行為を行ったという事実ではないのであろうか。当時の日本軍がアジアの捕虜、非戦闘員や連合国捕虜等に対して行った残虐行為に関して、当時の国際法に照らし合わせて違法性があれば、その責任を明確にするべきであろう。

同時に、当時日本が侵略したアジアの近隣諸国は既に欧米列強の支配下に治められていたか、または将来的に侵略される可能性が高かった地域であり、日本が主権国家として独立を維持するには、それらの地域が欧米の支配下に置かれる事を防ぐ必要があり、この側面からはこの戦争が自衛的な目的も持っていた、という点ももう少し明確にするべきである。

アジア・アフリカ諸国を数百年間も植民地化し搾取続けた欧米列強諸国は何ら謝罪や賠償をしていない。アジア諸国にとって、欧米列強に統治されたことによって、その地域がより発展しより幸せになった、アジア諸国にとって欧米列強が彼らを統治するのは許せても、人種的に近い日本が統治するのは許せなかった、等という論理は通用しない。

また、ユダヤ人撲滅を政策に掲げ冷静かつシステマティックにそれを実行していったドイツの戦争責任とは明かに性質が異なっている点も認識するべきであろう。

更に、第2時世界大戦時日本で起こった軍部の暴走を、何故当時の日本のシステムが防ぐ事をできなかったかという点を深く掘り下げた分析を行い、将来の憲法改正に生かす事も重要であると思われる。

詳しくは歴史家などの専門家に任せたいが、日本が今後国際社会の中で主体性とその地位を確立するためにはこれらの課題を必ずクリアをする必要性がある。

日本は、当時圧倒的な力を持っていた欧米列強の世界支配に対抗した唯一の非白人国家である。日本が欧米列強と互角に戦った事により第2時世界大戦後、多くの植民地の独立に結びついた事実がもっと語られるべきである。そして、これこそが日本が世界に誇れる歴史的な事実なのではないのか。

都市銀行の再編(1999年08月28日)

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