JKWIが翻訳する本のお知らせ

Posted on Sep 11, 2001

  
 
「保守的な投資家のためのヘッジファンドガイド-下落する市場環境でも収益をあげる」(邦題未定)

翻訳:(株)ジェイ・ケイ・ウィルトン・インベストメンツ 遠坂淳一

出版会社:ダイヤモンド社

想定される読者:金融業界従事者、富裕個人投資家、一般投資家、金融、経済学を学ぶ学生、企業経営者など、投資、金融、経済に興味を持ち、世界最先端の資産運用動向に興味を持つ方。

本について

 一般的にヘッジファンドは非常にリスクの高い投資商品であると考えられている。しかしそれは必ずしも事実ではない。実はヘッジファンドは最も保守的な投資商品の一つでもあるのだ。投機的で高所を飛行するヘッジファンドがマスメディアを賑わす一方で、それ以外のヘッジファンドは、個性的な運用戦略を用いてマーケットリスクを軽減するように開発されており、実際の多くのファンドはそれを実践している。

 あまり知られていない事実ではあるがヘッジファンドは50年前にアメリカに誕生した。そしてもともとはマーケットの下落から投資資産を守るために発明された投資商品なのである。景気の見通しが不透明な昨今、米国では富裕な個人投資家がポートフォリオにヘッジファンドを加え始めている。日本で機関投資家がようやくその存在を認め、自らのポートフォリオへ組入れを始めている。米国で30年の資産運用の経験を持つ著者は、過去の経験から伝統的アセットクラス(株、債券、投資)による資産運用とそ評価方法などの問題点を的確に指摘し、更にそれをどうヘッジファンドが補完するかを明快に説明している。また、ヘッジファンドの選び方やそれに投資をする際の、そして投資してからの注意点を詳しく実践的に説明をしている。

 また、アメリカにおける年金制度の発展の歴史とそれに続くミューチュアル・ファンド業界の誕生と発展の歴史も説明されている。この中で、ひときわ注目されるのはかのマルコビッツが1950年代に発表した「現代ポートフォリオ理論」の功罪についての記述である。現在資産運用の世界ではこの理論を基とした「ベンチマーク主義」または「相対収益主義」、つまり運用成績の市場との相対的な評価、が主流となっているが、実は個人投資家の要求を満たしておらず、大部分の投資家にとって意味を成さない事実とその理由を説明している。この伝統的な資産運用の弱点を補う意味でのオルターナティブ投資、特にヘッジファンドの魅力を説明している。

 従来の資産運用だけでは資産を守ることができないと感じている一般投資家や法人投資家、そして世界最先端の投資・資産運用事情に興味を持つ関係者には非常に興味深い著書であろう。日本よりも1歩も2歩も進んでいる米国の資産運用の実情を知る上でも大変意味深い書となっている。ヘッジファンドに実際に投資するかどうか、そして、それに値する規模の資産を持つかどうかは別にして、この書は資産運用の奥深さを教えてくれるであろう。

「保守的な投資家のためのヘッジファンドガイド-下落する市場環境でも収益を挙げる」(正式邦題未定)

原題:“Prudent Inventors Guide to Hedge Funds”

著者:James Owen(ジェームス・オーウェン)
30年間の資産運用業務経験を有し、現在ブロードマーク・アセット・マネジメント社上級副社長。前JPO社社長、NWQインベストメント・マネジメント社パートナー

出版社:John Wiley & Sons, Inc.(米国ニューヨーク州)

発刊:2000年11月

目 次

謝辞

序文

パート1:なぜ保守的な投資家がヘッジファンドについて知るべきなのか?

1章 伝統的な資産運用のどこが間違っているのか?
2章 どのように伝統的な投資/資産運用が迷路に入り込んていったか?
3章 高まる代替投資の魅力

パート2 :なぜ保守的な投資家がヘッジファンドに関して知るべきなのか?

4章 ヘッジファンドとは何か?
5章 ヘッジファンドの運用実績を検証する
6章 主要4大戦略について
7章 あらゆる相場環境で有効な運用戦略はあるのか?

パート3 :実際にヘッジファンドに投資をする

8章 ヘッジファンドへの投資:投資金額は?
9章 ヘッジファンドの情報源を探す
10章 自分に適したヘッジファンドを選ぶ
11章 実際の投資の際に使われる用語を理解する
12章 投資したヘッジファンドをモニタリングする

結論



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