戦略的不動産投資のすすめ その2

Posted on Dec 9, 2002

例えば、ここに投資用新築ワンルームの新聞広告があります。

  これは有利な投資でしょうか?

 投資用新築ワンルームを見学に行ったとき、その物件が気に入られて購入を検討している50代ぐらいのご夫婦がいらっしゃいました。その物件は、カメラ付オートロックで、その他の装備のグレードはかなりレベルでした。「私が学生だった頃のワンルームと比べ物にならないほど素敵なお部屋。これだったら賃貸人が入らなくても、自分の子供たちが将来、住んでもいいし。。。。」。これもある意味で一つの不動産の評価ではありますが、その収益性やリスクを具体的に精査することが重要です。

 世界的にも、歴史的にも未曾有の低金利を利用してローンをおこすこと事は、賢明かもしれませんが、5年後、10年後も今と同じ金利レベルを想定した投資プランはいかがなものでしょう。ましてや30年のローンなど組んで、10年後に金利が5%ぐらいになれば、金利負担は確実に大きくなり、毎月のキャッシュフローはマイナスになります。賃料に関しても、同じ事が言えます。基本的に物件は経年により劣化し、賃貸収入は低下傾向 にあります。家賃保証制度があっても、基本的には変わりません。3年ごとに賃料の見直しを行うので、長期に亘る家賃収入は全く保証されていません。

 投資用マンションでも、車でも同じなのですが、新築・新車にはかなりのプレミアムがついています。1年経過・2年経過するごとに急激に相場は下がります。自分で住むため利用するために新築・新車を購入するのは理解できます。しかし元々、人に貸して使う投資用物件では、新築である必要はなく、新築でも築3年でも、賃料レベルはあまり変わりません。だとすれば、築数年して、新築プレミアムが剥げた中古物件のほうが、はるかに有利な投資となるはずです。

 しかし現実には、銀行が中古のワンルームに対してはファイナンスしないのが実情です。 何故、銀行が融資しないのか?答えは簡単です。不動産の担保価値が銀行は評価できないからです。銀行マンによっては、中古の投資用不動産など担保にならないとまで言い切ります。不思議ですよね。新築には100%近くローンをつけるのに。彼らの言い分は、新築は売り出し価格が評価価格として使えるが、中古価格は銀行としては評価できないし、いちいち2000万円ぐらいの物件に、それぞれ外部の評価をとってもいい商売にはならないからだと言うことです。私の場合も2億円弱のオフィス用の中古物件は、実際に融資してくれました。3000万円ぐらいの中古物件でも融資はおりましたが、担当曰く、手間は同じなので1億円ぐらいの物件からにして下さいと言われました。

 有利な不動産投資をするためには、日ごろから、銀行といい関係を保っておいて、いい条件での融資を得ることも大切なことでしょう。 不動産投資で一番重要な点は、キャッシュフローをいかに予測することです。将来の不動産価格を予想することは、ほぼ無理でしょう。株式投資の場合、毎期の配当よりも将来の株価が幾らかであるかが重要ですが、不動産の場合は、将来の不動産価格よりも毎月いくら賃料が入ってきて、コストが幾らかかるかが重要です。日本株の配当利回りは1~2%ですが、不動産の投資利回りは、4%から20%ぐらいあります。10%を超えるキャッシュフローも中古であれば珍しくありません。税金・管理費を支払った後のキャッシュフローが10%を越えていれば、10年で投資資金は回収できることになります。なので10年後にその不動産が幾らであるかと言う事よりも、安定した高いキャッシュフローが得られるかどうかが不動産投資のポイントになります。

  キャッシュフローの安定性は、テナントの安定的な確保ができるかどうかが重要です。賃料のレベルは予測しがたいですが、賃料の上下は、地価に比べその変動はかなり緩慢で、プロパーマネイジメント良し悪しで、かなりカバーできるので、テナントの安定的に確保できるかどうかのリスクが大きくなります

次に続く



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