スイスの奇跡 それは「プライベート・バンカー」

Posted on Nov 6, 2004

今回もスイスの「プライベート・バンカー」についてのお話です。

■■■■■■■■スイスで「プライベート・バンカーズ」を名乗るためには?■■■■■■■■

 さて「プライベート・バンカー」という名称の利用は、スイスでは法的に明確に制限されて
いる事を前回説明しました。それではどんな条件を満たせばこの「プライベート・バンカー」
とを名乗る事ができるのでしょうか?

 基本的には以下の条件を満たして無ければなりません。

条件1:個人経営、合名会社、合資会社、もしくは株式を発行しているパートナーシップ形態
で設立登記済みの金融機関であること

 →パートナーの少なくとも一人が無限責任を負う事

条件2:無限責任のパートナーもしくは他のパートナーの過半数がスイス国民であること

 →スイス人による経営である事

条件3:無限責任のパートナーが最低3年間は同協会メンバーの経歴を有すること

 →プライベート・バンカーとしての実績を持つ事

 これらの条件をクリアーを上で初めて「プライベート・バンカー」の名称を名乗る事が出来
ます。

■■■■■■■■無限責任で所有する経営者と有限責任の経営者及び株主■■■■■■■■

 プライベート・バンカーズの条件に「パートナーの一人が無限責任を負う事」という条件が
あります。何を隠そうこの条件が最も「プライベート・バンカー」の特色を表していると言え
ます。

 資本市場が発展した昨今、株式会社形態による「プライベート・バンク」が世界的な主流で
す。 株式会社である「プライベート・バンク」は株主に所有されており、株主の責任はその
出資の範囲に限られます。また、経営者は会社に雇用されており、顧客に対して個人的な責任
を負う事はありません。経営者はむしろ株主に対しての責任がより無限に強く、一般の「プラ
イベート・バンク」においては株主が最も強い立場にあることは歴然としています。

 一方、プライベート・バンカーには「株主」といったものが存在していません。存在するの
は所有者であり経営者であるパートナーです。プライベート・バンカーは顧客の利益(と自身
の利益)だけを追求する事が可能です。そして、顧客に対して無限の責任を負うこととなって
います。

 プライベートバンカーであれば、
 「経営者は、会社を所有しながら顧客に対しては無限の責任を負いながら、主に顧客のため
に業務を行なう。」

 一言で表すとこういう事になります。

 しかし、プライベート・バンクであれば、

 「経営者は、顧客に対しては限られた責任だけを負いながら、主に株主のために業務を行な
う。」

 となるわけですから、その違いは明確となります。

 プライベート・バンカーは会社組織でありながらも、限りなく個人の特徴を備えた銀行なの
です。このことが「プライベート・バンカー」を「プライベート・バンク」とを決定的に違え
ている最も大きな要因なのです。

■■■■■■■■プライベート・バンカーの特徴■■■■■■■■

 プライベート・バンカーには名声があり、歴史があります。それ以外にはどんな特徴がある
のでしょうか?
 
 彼らの価値観として上げているのは「伝統、永続性、柔軟性、個別性、慎重かつ自由な裁量」
です。

 これらに沿った経営やサービスは顧客に幾つかのアドバンテージをもたらします。

それらは、

「自然人としての自由、裁量、柔軟性、個別性等の特徴と、組織としての安定性、信頼性等を
兼ね備えた銀行」

である事によって実現化しているのです。

 プライベート・バンキングを提供する銀行は星の数ほど存在しますが、こう言った特徴を備
えた銀行はスイスにしかありません。そして、そのスイスにもおいても僅か13行しか存在し
ていません。21世紀になった現在「プライベート・バンカー」と呼ばれる銀行の存在は、ス
イスの歴史や地勢によってこそ、為しえている奇跡の一つなのかもしれません。

次回は具体的な特徴や個別の銀行についてです。◆

■■■■■■■■<ご注意>■■■■■■■■

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