スイス・プライベート・バンカーと老舗ヘッジ・ファンドとの関係

Posted on Nov 27, 2004

今回も引き続きスイス・プライベート・バンカーについてのお話です。「スイス・プライベ
ート・バンカー」についてのお話は今週でひとまず終了となりますのでご了承ください。

 前回はスイスのプライベート・バンカーの長所について触れてました。

 今回はあるスイスの名門プライベート・バンカー老舗ヘッジ・ファンドとの意外な関係につ
いてです。

■■■■■■■プライベート・バンカーの先進性■■■■■■■■

 スイスのプライベート・バンカーは、長い伝統と歴史を誇っていることは以前のメールにて
説明をしました。こう言った「伝統」や「歴史」といった言葉は、通常であれば同時に「保守
的」であると同義と捉えられがちでしょう。

 プライベート・バンカーはもちろん「保守的」な側面も持っていますが、意外にも「先進的」
な側面も持っています。

 その一つを象徴的に示しているのが老舗ヘッジファンドとの関係でしょう。

■■■■■■■■ヘッジ・ファンドと個人富裕層■■■■■■■■

 もともとヘッジ・ファンドと言う物はアメリカで発明された富裕層向けの投資商品だった事
実を知っていればそれは決して驚く程の事実ではないかもしれません。

 今でこそ日本に限らず、世界の年金等の機関投資家がこぞって資産を配分するようになりつ
つあるヘッジ・ファンドですが、元々はそれ程一般に認知されているものではありませんでし
た。むしろ一般には市場を荒らす「無法者」として悪名のほうが高かったかもしれません。

 何を隠そう今から時を30年も遡る1973年に、ジュネーブの代表的なプライベート・バンカー
であったボーディエは、今では老舗になってしまった有名ヘッジ・ファンド・オブ・ファンズ
の設立に大きく拘っていたのです。

 これは、元々ヘッジ・ファンドが非常に先進的で、一部の富裕な個人投資家にしか受け入れ
られなかった事も関係をしています。

 プライベート・バンカー自らの大事な顧客に、その商品を進めるわけですから設立当時から
ヘッジ・ファンドにかなりの信頼を置いていたのはまず間違いありません。

■■■■■■■■ハウスマン・ホールディングズ■■■■■■■■

 そのファンドの名前は「ハウスマン・ホールディングズ」です。このファンドは設立から
1999年時点まで年率28.2%の驚異的な収益を上げています。

 このヘッジ・ファンドに複数投資を行なうファンド・オブ・ファンズは、当時「キングダン」
「ムーア」、「クォンタム」、「ジャガー」、「チューダー」等の当時は光り輝いていたヘッ
ジ・ファンドの大御所に資産配分を行なっていたのです。

 その後、長く続いたインターネット・バブルでの相場を読み違えたこれらの大御所ヘッジ・
ファンドは徐々に運用資産を顧客に返し始め、規模を縮小していったのです。

 これらに資産分散を行なっていた「ハウスマン」モ同時に、その運用資産も運用収益もやや
控えめになっていきましたが、現在もまだ運用してる伝説のヘッジ・ファンドの一つです。

■■■■■■■■スイス・プライベート・バンカーの特殊性■■■■■■■■

 このような先進的な事業(ヘッジファンドの立ち上げ)に一見、保守的に思われがちなプラ
イベート・バンカーが先便をつけていることからも、彼らの特殊性を汲み取る事ができると思
われます。

 ある人は、スイスのプライベート・バンカーとの付き合いを京都の老舗料亭とのそれに例え
ます。つまり、「一見のお客は断り、祖父の代からのお付き合い」が原則であると。

 伝統と歴史を守りながらも、同時に良いものであれば積極的に取り入れる企業文化、または
それを可能にしている組織形態を持つスイスのプライベート・バンクは実にその奥が深い事を
計り知る事ができると思います。

 長く付き合うほどその奥深さに気づかされ、その事を理解できる人には魅力的で神秘的な世
界が広がる特殊な銀行。こればかりはどんなに金を注ぎ込んでも、一朝一夕には出来上がらな
い、それこそがスイス「プライベート・バンカー」なのです。

 もし、長く安定した付き合いを前提とした本格的なスイスのプライベート・バンキングを期
待されるのであれば、プライベート・バンカーは決してその期待を裏切らないでしょう。◆

■■■■■■■■<ご注意>■■■■■■■■

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